生まれて初めてエロ本を購入した

 コンビニでエロ本を買った

だから何だよ、と言われればそこでお終いだが待って欲しい。

あらゆる物が電子化される現代において、映像ではなく紙の媒体であるエロ本を、よりによって様々な年齢層が出入りするコンビニで買ったのだ。少し語らせていただきたい。

  先週の金曜。つまらない毎日を送っていた俺は、お菓子を買いにコンビニへ入った。

チケットでも確認しようとFamiポートへ向かった時、ふと成人向け雑誌コーナーに気になる表紙が陳列してあった。近づいて見てみるとそれはAVの総集編のような感じのエロ本で、買うか迷ったが恥ずかしいのでやめた。

 

 それから二日後。やっぱり気になってきたので恥を忍んでコンビニへ買いに行くことに。顔を覚えられたら恥ずかしいので、いつもとは違う普段使わないコンビニにした。

  成人向け雑誌コーナーから一冊手に取り、そそくさとレジに持っていくとおばさんが淡々と会計をこなしてくれた。本望は男性の店員が良かったがこれでよしとする。

透明なレジ袋に入ったエロ本を持って急いで家に帰った。すれ違う人にエロ本を買った事がバレてしまったら……と思うと気が気でない。

 

 無事に帰宅出来た俺は期待を胸に開封した。中身はDVDが一枚と本編のキャプチャらしき写真が数ページだけで、後は出会い系の広告だった。

DVDの内容は過去に販売されたシリーズの総集編の様な物で、出演人数が多いがその分一人あたりの時間が5~10分ぐらいしか無い。あとはパスワード付きで全く関係の無い動画があったが、パスワードを聞き出す為に電話するのも面倒だし、何より映像に興味が沸かなかったので止めた。

 俺は落胆した。もっとボリュームのある内容かと思い蓋を開けてみれば、出会い系の広告がメインで期待していた物はおまけみたいな物だった。

もっとその未公開映像みたいなのを期待していたのだが、冷静になって考えれば俺が馬鹿だった。約800円の薄いエロ本に期待しすぎたのだ。

 だが悪いことだらけでは無い。なぜか1ページだけ監督のインタビューが載っており、舞台裏の秘話が書かれている。逆に言えばそれだけなのだが。

 

 後悔しているか、と聞かれればそうでもない。エロ本とはこういう物なのだなと約800円出して分かった。それだけで満足だ。宝箱の中身は開けるまで分からない。

しかしコスパと羞恥性を考慮するともう買うことは無いと思う。よほど気になるエロ本であれば話は別だが。

 

 

 

 

 

 

 

 ここから先は私の体験による余談となる。

コンビニで働いていた頃にエロ本とは何度か付き合いがあった。この時は全く売れず、30~40代の男性がごくまれに買うぐらいだった。よって私が触れるのは品出しか返品処理のどっちかである。

売れ残ったエロ本を返品する度に「こんな物必要なのか?」と思ったりもしたが、置いてあるという事は必要としている人がいるという事なんだろう。そう割り切った。

 ある日青少年何とかの人が監査に来られたのだが、現状を把握していたのか「少なくなってきましたね」「まあ今の時代ネットでもっとえげつない物も見れますし」と言って帰った。

監査自体特に問題は無かったのだが、ネットでえげつない物~の一言が仕事中に気になって仕方なかった。