俺の誕生日だった
1月24日は24歳の誕生日だった。
本来ならば誕生日というのは嬉しい物なのだが、何もせずにこんな歳になってしまった自分にとっては億劫な物だ。いつからだろうか、この日を忌まわしく感じるようになったのは。
24歳って言ったら普通は良い会社に入って働いて結婚を考えていく歳だろう。
なのに何なんだ俺は。アルバイトで日々を食いつぶして休日はゲームばかりしている。
酒も煙草もギャンブルも無ければ女性関係も無い。しかし健全でもない。毎日が色あせた灰色の生活だ。
この前、劇場版カイジが金曜ロードショーで放映されていた。実を言うと俺はカイジが好きながらも「ギャンブルをしないだけコイツよりはマシ」と心のどこかで見下していたような部分があった。
だが今見返してみれば、俺なんかよりもカイジの方が勇気に溢れていて男気があるのではないか。ギャンブルに弱い部分はあってもどこか人間として大切な物を持っているような気がする。
それに引き換え俺は博打の椅子にすら座らなかったヘタレだ。もし人生奪還ゲームがあったとしても乗らなかっただろう。
人生を変えようとする気はあるが変えられない。どうすりゃいいんだ。