テイルズオブベルセリアをクリアした

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 今に至るまで色々なゲームを遊んできたが、実はテイルズシリーズだけは遊んだことが無く、気になったので手を出してみることにした。

手を出してみることにした、のだがテイルズシリーズは数が多くどれから遊ぶか分からない。ナンバリングはされておらずそれぞれが独立した作品なのだが、ゆえに迷ってしまう。

ならばいっそ思い切って最新作から遊んでみることにした。最新作であるテイルズオブベルセリアは復讐がテーマなのも一因だった。俺は復讐ものが好きなのだ。

 

━━あらすじ

 平穏な日々を送っていた主人公ベルベット・クラウが弟であるライフィセットを義理の兄アルトリウスに殺され、自身も業魔と化し監獄に送られる所から復讐の物語は始まる。

謎の手引きにより監獄を脱出したベルベットは業魔、魔女、聖隷、死神、対魔士と一筋縄ではいかない仲間と共に、聖寮もといアルトリウスを打倒するために旅を続ける。

 

──特徴

 テイルズシリーズ未経験の私が驚いた事は、街中でのモブキャラとの会話以外ほとんどフルボイスであること。ストーリーはもちろんの事、細かいサブイベントにまで声がついておりプレイヤーを飽きさせない。これは本作だけなのか、あるいはテイルズシリーズでの特徴なのか分からないが。

 

 まだ驚いたことがある。私は今までテイルズシリーズの戦闘はドラゴンクエストファイナルファンタジーなどのようなコマンド式RPGかと思っていたのだが違った。

テイルズシリーズの戦闘はアクションRPGで、スタメンの四人の中の一人を操作し敵を攻撃する。個人的には何となく龍が如くに近い印象を受けた。

コマンド式RPGとは違い深く考えずに敵を叩くだけで進められるが、これだけでクリア出来るわけではなく、ある程度の戦略性も求められる。設定により難易度を上げればなおさら。

 

 グラフィックはかなり綺麗で、キャラクターデザインがそれぞれ違う人なのに特徴を崩さずに違和感なく溶け込めている。スキット*1や掛け合いもあり、上記のフルボイスも相まってまるでアニメをそのままゲームに落とし込んだかのような作品だ。

 

 ストーリーは復讐をメインにしているが、仲間によってある程度シリアスさが緩和されておりそれほど暗くなりにくい印象がある。身分や目的が違う仲間だが、それぞれに役割がありパーティとして上手く成り立っている。

全く仲良しというわけでもなく皮肉を言いあったり対立したりするが、それが原因で決裂することは無い。近すぎず遠すぎずの距離感を上手く保っている。

 

──気になった所

 主人公一行は追われる身なのだが、姿を隠すことなく普通に街を歩いたり人と会話する。派手な衣装も相まって目立ちやすいのに、堂々と聖寮の前を通り過ぎるのは肝が据わっているのだろうか。

特にエレノアは元聖寮の裏切者として扱われているのに隠れもせず、対魔士として人助けを行っている。倫理的には問題は無いのかもしれないが、もしバレたりすると不味い事になるんじゃないかと思った。

正直ゲームの都合と言えばそれまでだし、こういう事を言うのは野暮かもしれないが気になったので書き出してみた。

 

 マップが広い。広い事はいいのだが移動が少し面倒で、基本的には町にしかワープ出来ない。またレアボードと呼ばれる早く移動出来る乗り物もあるのだが、これは中盤で解禁となるうえ、初めて入った場所では特定の地点に行くまで使用できない。

 

 会話の時のログが見返せない。スキップ機能はあるが、巻き戻しやログを見返すことが出来ない。せっかく気になった台詞があってももう一度見れないのは残念である。一応スキットだけは見逃しても後に見返すことが出来る。

 スクリーンショットも撮影不可。録画も不可だが一部の場所に限って可能である。

 

──最後に

 こういうアニメ調のゲームはなんかやる気が出ないんだよな、と敬遠してたのだがいざ遊んでみるとなかなかの面白さだった。単純に自分が復讐ものが好きなのも一因かもしれないが、様々な要素を詰め込んで一つのゲームとして完成されており、流石長年続いてきたシリーズなだけあると感心した。

 ストーリーも単なる復讐ものとして終わらせず、キャラクターに葛藤させたり、仲間が支えあったりと救いが無いわけでは無いのも印象的だ。正直に言うとこのゲームのキャラには純粋な悪人はおらず、それぞれが己の使命に向かうあまり齟齬が生じてしまっているような感じもする。主人公一行も聖寮側も人の道を外れているようで、どうも人間臭いのだ。

 女主人公、陰鬱な復讐ものと初テイルズとしては異様なチョイスとなってしまったが、後悔は無い。むしろこれで良かったと思える作品だった。

*1:イラストの状態でキャラクターが会話する場面