ノーモア★ヒーローズ2 デスパレート・ストラグルをクリアした
最近難しいRPGやADVばかり遊んでいるので、たまには頭を使わずに腕だけで雑に敵を倒しまくるゲームがやりたいなと思った。そこで目に留まったのがノーモアヒーローズシリーズだ。
────「ノーモア★ヒーローズ」とは
オタクである主人公トラヴィス・タッチダウンがひょんな事から殺し屋になって、殺し屋ランキングのランカーを殺しまくって1位を目指すゲームである。
これだけだとたまにある変なゲームっぽいのだが、このゲームはもっと変だ。
まずセーブがトイレ。強敵や長い話の前にはトイレ(セーブ)に行ってこいとゲーム中に言われるが、これが妙に説得感が出ている。
さらに武器のビームカタナは使う度に電力を消費するので定期的にWiiリモコンを縦に振って充電を行う必要がある。だが見方によってはシコっているようにも見える。というかあきらかにオ〇ニーを意識している。
また主人公がオタクという事もあってか、時々劇中にサブカルチャーが出てくるのも特徴的だ。ついでにトラヴィス……と言うよりはディレクターの須田剛一氏の趣味もあってかプロレス技が何度も出てくる。
オタクの殺し屋がビームカタナ片手にプロレス技をかけまくるゲーム、と言うだけで本作の特徴はおおまかに理解出来ると思う。理解出来ないかもしれないがマジでそんなゲームなんだよ。
今回は二作目である「ノーモア★ヒーローズ2 デスパレート・ストラグル」を遊んだのだが、なぜいきなり二作目から?と思う人もいるだろう。確かに一作目はWiiで発売されている。
だが日本語に吹き替えられた「ノーモア★ヒーローズ英雄たちの楽園」
CERO:Zとなりゴア表現が強化された「ノーモア★ヒーローズ レッドゾーン」がPS3に移植済みだ。どうせならこちらからやりたいと思ってはいるのだがPS3が手元に無い。
さらにレッドゾーンにはノーモア2からボスがゲストとして登場するので、一作目の予習として二作目を始めるという少し矛盾しているかのような理由で本作から始めた。
────「ノーモア★ヒーローズ2」について
長い前置きはこの辺でそろそろ本題に入ろう。本作のストーリーは主人公の親友ビショップを殺される所から始まる。親友を殺され激高したトラヴィスは復讐の為にUAAランキングの殺し合いに参加する……
サブタイトルである「デスパレートストラグル」には須田氏いわく死闘という意味が込められている。またストラグルには葛藤や奮闘といった意味もあり、奇しくも本作の殺し屋としての意味に悩むトラヴィスに合っている。
ゲームの主な目的はランカーを殺して1位を目指すことだ。主人公の強化や着せ替えには後述するミニゲームを行う必要があるが、ただクリアするだけなら敵を斬るだけで済む。
攻撃はボタンとモーション操作で行う。Aボタンで斬り攻撃、Bボタンで蹴り攻撃。最後にWiiリモコンを指定された方向に振ってトドメを刺せる。トドメはビームカタナでぶった斬るほか、大胆にプロレス技で投げたりもする。プロレス技は須田氏のこだわりが大きく映っており、ストーリーを進めていく事で何種類も習得できる。ボスだろうが女だろうが誰でも投げまくるトラヴィスは圧巻だろう。
一応クラシックコントローラーでも操作可能だが、ここは是非Wiiリモコンでの操作を勧めたい。
サクサクと敵が溶けていくので、無双ゲームまでとはいかないが爽快に蹴散らす事が出来る。たが無暗に突っ込むとリンチされて死ぬ。殺し屋らしく一人づつ相手にしていこう。
お金稼ぎと強化は8Bit風のミニゲームで行う。簡単そうに見えて結構難しい。
────良かった所
BGMが良い
という理由は使い古されているかもしれないが、本当に良曲揃いだ。
大体のボスにはそのキャラに合った専用の曲が流れており、バトルを大いに盛り上げてくれる。中でもランカー4位のマーガレット・ムーンライト戦で流れる「Philistine」は評価が高い。歌詞もどこかトラヴィスへの皮肉が感じられる。
キャラが良い
これまた使い古された理由かもしれない。しかしどのボスも個性豊かで、一作で終わらせるには勿体の無いキャラばかり。殺し屋のゲームである以上再登場の望みは薄いが、殺したのは自らでありながらもう一度、再戦の機会が欲しいと思ってしまった。
先ほど挙げたマーガレットはゴスロリのスタイルに鎌と銃の複合武器の二刀流という個性の塊で、デカすぎる満月をバックにしたシチュエーションと曲も相まって人気が高い。もちろん他の殺し屋達も負けてはいない。
古風な暴走族スタイルでありながらトラヴィスに本物と認められた龍司
正確にはランカーではないが独特のデザインが特徴的なミミー
亡霊の身でありながら地球に帰る事を望んでおり、どこか無常さを感じさせるウラジミール船長
日陰に生きる事に嫌気が刺し、殺し屋としての熱いバトルを願うアリス・トワイライト。など上位ほど貫禄のあるキャラが多い。
ラスボスも復讐というテーマを体現したかのようなキャラでとても良かった。ある意味復讐(スケルター・へルター)で始まり復讐で終わるという物語は殺し屋として避ける事の出来ないサガを感じさせる。
多いネタの数々
まずノーモアシリーズにはネタ要素が多い。パロディだったり下ネタだったりと様々で探し出せばキリが無い。もうぶっちゃけた話パッケージを開けて説明書を見た時点で驚愕した。しかし殺し屋仕事という命の取引の場面ではしっかり締めているのがメリハリがあって良い。
────気になった所
全体的にボリューム不足
クリアまで10時間もなくすぐ終わる。ミニゲームなどを含めればもう少し掛かるかもしれないが、どっちらにしろメインストーリーだけなら少し物足りない。
本作は須田「剛一」にあやかったのか51位から始まるが、実際に戦う回数はもっと少ない。まあ本当にボス戦が51回もあったら流石に疲れるが。
一応ビショップを殺した犯人を探し出して殺害する復讐ミッションと呼ばれるものもあるが、雑魚戦だけなのが惜しい。もう少しキミー・ハウエル戦のような挑戦者との戦闘があれば良かった。
トラヴィスのほかにシノブとヘンリーが使用出来ると書いてあるが、実際に使用できるステージは限られており、シノブはともかくヘンリーはボス戦一回しか無い。せめてあと3回は使わせてくれたら……
ミニゲームが多め
お金稼ぎからステータス強化まで本作はかなりミニゲームが多い。こういう類の物が好きな人間にとっては気にならないが苦手な人間にとっては厄介だろう。一応ミニゲーム無しでもクリアは可能。
ロードが多め。マップの切り替えは勿論だが、服を着替えるだけでもWiiUからディスクの読み込み音が鳴るぐらいなので相当無理をしているのではと思う。
キャラとの掛け合いや会話など掘り下げが少ない
大体の敵キャラは対面するまではほとんど情報がないうえ、会ったら即バトルそして死亡。どんなキャラだったか知る機会が少ない。
しかし下手に感情移入してしまうと倒しにくくなる。殺し屋のゲームとしてそれはどうかと思うので、これは賛否両論な部分かもしれない。
雰囲気重視なのだがメニュー画面が英語で少し分かりにくい
────最後に
須田ゲーはこれが初めてだ。面白いのだが正直言うと普通の人には勧めずらい。ゴア表現や下ネタ、パロディギャグなど中々に人を選ぶ要素が多い。
ゴア表現は国内版ではまだ規制されている方で、海外版では血が出たり容赦なく人体が切断されたりする。国内版は規制こそされているが、カメラワークを変更して切断面が見えないようにするなど不自然にならない程度に工夫されており、製作者のたゆまぬ努力が感じ取れる。
任天堂ハードのゲームで、それもWii時代のゲームでここまで攻めたゲームというのも珍しい。興味がある物好きな人は是非遊んでみてほしい。
これは見ての通り説明書だが、この仕様は国内版だけ。なぜに……
間違い電話の対応をさせられそうなマーベラスの人がちょい気の毒である