Fate/EXTRAをクリアした
去年にセールで買ったFate/EXTRAを三週間ほどやってエンディング迎えた。
まずはFate/EXTRAって何?名前だけは聞いたことあるけどやったことない、と言う人ののために説明しよう。
Fate/EXTRAはFateシリーズの派生作品で、2010年にPSPで発売された。ビジュアルノベルだったstay nightとは違い、完全新作のRPGとして制作されている。
主人公は記憶喪失の一人の少年(女)主人公は三つのサーヴァントの内の一人を選択し月の聖杯戦争に身を投じる事となる。
聖杯戦争の大まかなルールはstay nightと似ているが、今回の最大の特徴はトーナメント戦にある。128人のマスターが六日間の猶予期間を経て、七日目の一騎打ちで生き残りを決める。勝ったマスターは次のトーナメントに進み、負けたマスターは死ぬ。冗談で消えるとかではなく本当に死んで無くなってしまう。
そして全てのマスターを打ち倒し最後の一人になったマスターには聖杯が与えられる。
聖杯戦争を勝ち抜く相棒となるサーヴァントは三体の内どれかを選ぶことになる。どこかで見たことあるが全然違うセイバー、これまたどこかで見たことあるが少し違うアーチャー、stay nightのキャスターは妖狐とか言われてたがこっちは本当に妖狐のキャスター。
セイバーは初心者向け。キャスターは上級者向け。アーチャーはその間と言う感じ。
彼らも英霊と呼ばれているだけの実力はあるが、本作がRPGゆえか最初から強いわけではない。レベルアップとそれで貰えるスキルポイントの振り分けによりマスターと共に強化されていく。stay nightではトレーニングは文章のみだったが、実際にサーヴァントと二人三脚で鍛えられるのは強い実感が湧く。
またstay nightでもあった真名探しも攻略のポイントとなっている。猶予期間中に相手のサーヴァントの情報(マトリクス)を集めることで、戦闘時の行動が開示され戦闘が有利になる。真名をただの考察要素だけでなく、攻略のカギとして上手く組み込んでいる。
戦闘システムは三すくみの行動をどれか選択し、これを1ターンにつき5回行う。平たく言えばジャンケンだ。ムシキングを知っている人はそれを想像してもらった方が早い。
しかしただジャンケンをしているだけではない。間にサーヴァントのスキルや、マスターのコードキャスト *1、アイテムでより有利に進めていく。
本作にはstay nightのキャラクターが数人登場するが彼らは別人に過ぎない。だが慎二は相変わらず嫌な奴だし、凛はキツい性格ながらも手助けしてくれる。stay nightを遊んだ人にはどこか既視感を感じるだろう。
勿論EXTRAのオリジナルキャラクターも負けてはいない。形は違えどそれぞれ異なった信念があり、聖杯を求める者として主人公と激突する。トーナメント戦である以上対立は避けられないのが無常に感じてしまう。
Fateシリーズを上手くRPGに落としこんでいるが、RPGとしてはやや不満な部分も存在する。
エネミー戦は一度戦闘に入ると逃げる事が出来ない。またシンボルエンカウント制だがエネミーの方が足が速いため、一度見つかるとほぼ戦闘になる。足を速める礼装 *2もあるが中盤以降になる。
本編開始前にも忠告されるが、本作には理不尽なバッドエンドが多く、選択肢を間違えただけで簡単に終わってしまう。
この辺はビジュアルノベルであったstay nightの流れを汲みこんでいるのかもしれないが、うっかりしていると数時間の作業が水の泡になってしまう。上記の通りエネミー戦でも無傷で帰れる保証は無いので、セーブはこまめに、複数持っておくことをお勧めする。
また猶予期間中にトリガー*3を二つ集めないと失格となってしまう。一日に何回でも自由に集められるわけではなく、ある程度フラグを立てたりストーリーを進めないとトリガーは入手できない。さらに情報マトリクスも並行で集めないといけない。故に日数の計算を間違えると取り返しのつかない事になる。
そういう時のための保険として、セーブデータを複数に分けて持っておきたい。詰みの回避手段として、その回戦の一日目まで戻れるが、手間と時間を考えてあくまで最終手段として捉えておこう。
FateとRPGの組み合わせとしては十分な出来で、これまで設定だけで語られてピンとこなかったスキルや宝具などをステータスに組み込んでいるのは上手い。
しかしその分戦闘が単調だったりと少なからず不満点もある。続編にFate/EXTRA-CCCがあるのでそれに期待したい。
本作はPSPで発売されたが、PSVitaでもダウンロードして遊べる。たまにセールで安くなっている時もあるのでVitaを持っている人は遊んで欲しい。