僕は君を太らせたい!を読み終えた

 四巻で読み終えた。

  「僕は君を太らせたい!」は謎の感染病が広がった世紀末な世界で、なぜか野食に詳しい木野と、逆に野食に疎い令嬢の都田、その他もろもろの人々が食べられる野草や生物を料理していく一風変わったサバイバルグルメ漫画である。

 食べられる物しか採取しないが、逆に言えば食べられる物ならなんでも採取する。「エッこんな物まで!?」と思う食材も多い。と言うか殆どがそうだ。

最初の方は食材にするには珍しい物を扱っていたが、終いには毒性のあるものまで食材にしている。一応ちゃんと毒抜きはしているが、本作がフィクションでなければどうなっていたか。

 サバイバルと聞くと敷居が高く読みづらいと思う人もいるかもしれない。だが実際の所は全体的な雰囲気はコミカルで、なおかつ美味しく料理するので読みやすい。

まあたまにえげつない物を食材にする時もあるが。

 

 一話ごとに原作者の茸本朗氏によるコラムが掲載されている。野食なので我々には馴染みが薄いかもしれないが、世界観をより理解するには十分なコラムだと思う。

 読んでいると主人公である木野のキャラと情報量が濃い過ぎて、もう彼一人でいいんじゃないかと思ってしまうが、道で出会う人々も強烈だ。世紀末を生き抜いている人間は伊達では無い。

 

 計四巻と少し短めだが、取り合えず大団円という事で綺麗な終わりを迎えられた。

欲を言うともう少し料理が見たかった。グルメ漫画である以上「意外と美味しい」というオチが必要なため、下記ブログにもあるアメフラシや蜘蛛を調理して「やっぱり不味かった」みたいな話が出来ないのは残念。仕方ないけどね。

 

 本作の食材が気になった人は原作者である茸本朗氏のブログ、「夜食ハンマープライス」を是非覗いてみて欲しい。漫画では紹介しきれない料理で一杯だ。虫などの写真が出てくるので苦手な人は注意。

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